2007年01月20日

連続小説「たまにはコーヒーでも」

第三話「アイスティーにはミルク多めに」


 別にそれがどうしようもなく気になった訳ではない。たまたま疲れていただけかもしれないし、だからといって私が詮索するのもおかしな話だ。とにかく、私に出来ることと言えば、出てきたホットケーキとアイスティーを美味しくいただくことくらいだった。

 相変わらずここの料理は、私を落胆させることがない。隠れた名店、というほどでもないだろうが、無くなれば恋しくなるのは私だけではあるまい。
 いっぱしの評論家を気取りつつ、早々に食事をし終えた私はいつもどおりにレジへと向かった。伝票に記載されたアイスティーの文字以外、何一つ変わらないいつもどおりの光景である。
 会計を済ませる時も、彼女の顔は何一つ変わらない笑みを浮かべていた。


(つづく)
posted by きのした@なぎさ at 12:10| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月16日

連続小説「たまにはコーヒーを」

第二話「ホットケーキはいつもどおりに」


「おはよう、今日はカフェオレじゃないのね?」
にこやかに彼女はそう言った。普段の私なら、店の扉を開けるなり「いつもの」と注文しているからだ。
「ああ、今日はなんとなくね。」
こちらも笑顔で返す。
「それで、ご注文は?」
「えっと……ホットケーキ。」
彼女がぷっと吹き出す。
「なに、結局いつも通りじゃないの。」
私の「いつもの」。それはホットケーキにカフェオレ。もっともだとは思いながら、私は苦笑しつつ彼女の言葉を否定した。
「違うって、今日はカフェオレじゃなくて……アイスティーにしてくれるかな。」
 私の「アイスティー」という言葉に、一瞬曇った彼女の顔を、私は見逃さなかった。
 私の戸惑いとは裏腹に、看板娘は笑顔で注文を繰り返すと、カウンターへと戻っていった。私はひとり、さっきの出来事を思い返す他なかった。


(つづく)
posted by きのした@なぎさ at 08:37| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月23日

連続小説「たまにはコーヒーを」

第一話「何気なく頼むカフェオレ」


 もともと、私はカフェオレが好きだとも、嫌いだとも感じてはいなかった。
 ただ、先輩のカフェオレを頼む姿が、何となく大人っぽくて、ただそれだけの理由で、私はこの店に来るたび、カフェオレを頼んでいた。別に、それ以上に何があったわけではない。
 だからというわけではないが、今日は別のものを頼もうという考えが出て来たことも、大した理由あってのことではなかった。ミスばかりだったこともあるし、煮詰まり気味だったということもあるかもしれないが、結局のところ、単純に気分の問題である。
 先輩の真似ではなく、自分の意思で飲むと言うことに、何か特別なことを感じていたのかもしれない。
 そんなことはどうでもいい。

 私は、ここの看板娘に声をかけた。


(つづく)
posted by きのした@なぎさ at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月08日

新企画発動。

おはようございます。ただいま、朝8時です。
演劇鑑賞の感想文を書いていたら、なんだか創作意欲がわいてきました。声優なのに。

とにかく、連載小説決定!
タイトルも構想も何にも考えておりません。わー、無謀。朝のハイテンションに任せて思いつくまま気の向くまま。
主にメール更新なので、基本的に短いんでないかと思われますが、その辺りは気にしないでください。

ではまずは……クイズ作らなきゃ。前途多難です。
posted by きのした@なぎさ at 08:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月17日

「解放の方法」

「ここは、どこ……?」とそいつはつぶやいた。分厚い壁らしきものをごんごんとたたく。
「たまごの中さ。」と黒い服を着たやつは言った。
「たまご?あのにわとりとかの?」とそいつはいぶかしげにそいつを見た。
「ああ、ごめんごめん。たまごっていうのはたとえ。」と黒服は笑いながらいった。
「つまり……どういうこと?」とそいつは尋ねた。
「ここは、何か大事なものを見つけるための場所。」黒服は随分さっぱりした顔で言った。
続きを読む。
posted by きのした@なぎさ at 02:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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